2013年11月21日

オーボエと私 〜しろうとオーボエ吹きの贅沢,「輪の和」,そして JPP〜(6/7)

◆日本病理医フィルハーモニー( JPP)の結成
 実は,私はもう一つユニークな音楽活動を展開している。2006 年 11 月,第 52 回日本病理学会秋期特別総会(和歌山)で市民公開講座に引き続く形で,患者・市民のための病理医によるミニコンサートを企画・開催した。好評だった。私は寺田さんといっしょに演奏させていただいた。患者さんのために病理医が演奏するチャンスをつくりたい! トランペット吹きの病理医,宮崎龍彦氏(愛媛大病理,現 岐阜大病理)と相談・画策して,全国に散らばる病理医の演奏家を集結してフルオーケストラをつくろうと提案したのは 2009 年 11 月(松山)だった。そして,ついに「日本病理医フィルハーモニー( JPP)」の結成に至った(携帯電話の電源がなくなるほど,全国各地に電話しまくったのが懐かしい)。私が団長を務める JPP の登録団員・団友は,現在 150 名を優に超えている。初練習は,2010 年4 月の第 99 回日本病理学会総会の期間中に新宿で。会長招宴懇親会会場では,有志による弦楽アンサンブルが演奏された。翌年の第 100 回記念総会(横浜)での演奏が目標だった。
 2011 年 4 月に予定していた(社)日本病理学会創立 100 周年祝賀コンサートは,同年 3 月 11日の東日本大震災のため,残念ながら,演奏を自粛せざるを得なかった。そして,2012 年 4 月29 日(日)の夕暮れのひととき,果敢にも,横浜みなとみらいホール,大ホール(計 1,850 席)において,2 時間にわたる単独の無料コンサートを開催した。多くの患者・市民を招待した。第101 回日本病理学会総会(新宿)の翌日だった。出演者は 90名,約半数が病理医。他科の医師や検査技師,そして学生や病理医の家族の手伝いを得てはじめて成立したコンサートだった。多くの個人,企業からの寄付も欠かせなかった。何と,満席の観客の中での,文字通り,感動の演奏会となった。
 指揮する病理医は,秋山 隆氏(川崎医大)と岡 輝明氏(関東中央病院)。第一部のフィンランディアと G 線上のアリアでは,東日本大震災被災者への励ましの気持ちを込めて演奏した。第二部では,(社)日本病理学会が世界に誇るテノール歌手,米澤 傑氏(鹿児島大)が,オーケストラとともに「誰も寝てはならぬ」「オーソレミオ」などを朗々と歌いあげた(写真4)。パイプオルガンの音色もホールに響きわたった。まさに,病理医が患者・市民に顔をみせる活動そのものとなったといえよう。
 30 名のボランティア,ロビースタッフ(患者さんと一般市民,病理医は 2 名のみ)の働きは本当にすばらしかった。寺田佐代子さんはロビーマネージャーとして大活躍だった。満席の観客を時間通りに客席に誘導できたのはまさに奇跡的だった(ホール担当者の言)。掛け値なしに,病理医と患者さん・市民によってなし得た手づくりコンサートと言えた。今でも,みなとみらいホールのロビーストに「伝説の JPP」と言わせているのは本当の話。
 2013 年 6 月 8 日(土)には,第 102 回日本病理学会総会(札幌)の最終日に,札幌芸文館大ホールで第 2 回 JPP 演奏会が開催された。約 1,200名の聴衆を得て,再度,練習不足のハンデを超える集中力を発揮した演奏会となった。札幌医大の学生を含む 70 名のオケメンバーに加えて,札幌アカデミー合唱団,札幌医大コーラスや病理医よりなる約 100 名のコーラスが,オーケストラとともに素敵なハーモニーを奏でた。米澤傑氏(テノール)のソロの歌声に加えて,瀧山晃弘氏(北海道大)によるモーツァルト(ピアノ協奏曲第 23 番第二楽章)のピアノソロ演奏もあった。学会長の佐藤昇志教授(札幌医大)による全面支援の賜物でもあった。
 2014 年 4 月 26 日(土)には,広島での学会最終日に,第 3 回演奏会を予定している。今後もぜひ継続してゆきたいユニークな活動である。
 JPP 活動の目標は 3 つ。
1)日本病理学会会員が音楽を通して交流し,理解し合い,音を楽しむこと。
2)日本病理学会にはオーケストラという “クラブ活動” があることを示して,若手病理医のリクルートに使うこと。
3)患者・市民に病理医の存在をアピールする有効な手段となること。

写真4.jpg
写真4 第一回日本病理医フィルハーモニー演奏会
(横浜みなとみらいホール大ホール,2012 年 4 月)
全くの予想外に,1,850 席に満席の聴衆を得た,掛け値なしの「感動」の演奏会となった。米澤 傑氏(病理医,テノール)による熱唱。指揮:岡 輝明(病理医)。
posted by pathologist at 21:17| Comment(0) | 以前の日記
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